南極クォーツ
産地:
フランス領南方・南極地域
Terres australes et antarctiques françaises, TAAF
昨年の6月に、フランスのサンマリーミネラルショーで出会い、
今年は仲間に仕入れをお願いし、少し入荷しています。
南極オーストラリア領土に挟まれるようにある、細い領土。
フランス領南方・南極地域で数十年前に採掘されたクォーツポイントです。
主に氷床で覆われている南極ですが、
南極には陸があり、陸下はマグマ活動があり火山もあります。
この石を見つけた時、業者の方はフランス語で、
わたしが聞き取れず意味もわからず・・・
なんだかすごいぞ、ということだけはわかりました。
持って帰ってきて、よく見たら、さらにその特異さに感動しました。
ファントムが何層もあり、スモーキーなのですが、シトリンのようで、
石を光に透かして見ると、ファントムにアメシストらしき色合いもありました。
クォーツ(水晶)はSiO2ですが、
鉄分の影響や天然の放射線の影響を受けて色付きます。
シトリンもアメシストも、ローズクォーツもスモーキークォーツもSiO2です。
永い年数で成長する石達は、数万年はごく普通で、数億年のものもあります。
どの地層で採掘されたかで、この年数は判断されます。
内部が山のように刻印されたファントムは、成長時になんらかの地殻変動があり、
一時的に成長が止まり、また成長をした痕跡によるものです。
何度も何度も、南極大陸は揺れたのでしょうか・・・
ファントムがしっかりと刻まれています。
どっしり、しっかり、意志をもっている、
1本1本に触れながら、そう感じました。
この石は寡黙です。
全然おしゃべりではありません。
むしろ、何も言ってくれないのです。
強いていえば「考えるな、感じろ」という石訳が適切かと思います。
昨年は20本ほど販売しています。
お手元にお持ちの方は、是非光に透かしたりして、
眺めて愛でてくださいね。
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